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平成30年10月15日号 広報みかわ

いにしえのロマンを求めて 幻の米「イ号」プロジェクト

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山形県三川町

明治の時代に、この地方で広く栽培されていた「イ号」という名のお米が、約80年ぶりとなる今年の9月に、東沼町内会内の水田で収穫されました。
三川町では幻の米「イ号」による、いにしえのロマンを求めたプロジェクトが始まっています。

町の総面積の3分の2以上を占める「田んぼ」。その田んぼから生産される農産物を、町では「田から(宝)もの」として特産品開発に取り組んでいます。
今回の「田から(宝)もの」は、幻の米「イ号」を使った、町オリジナルの日本酒の開発です。

■幻の米「イ号」
「イ号」は明治40年に、町内の篤農家、故・佐藤弥太右衛門(やたえもん)氏(猪子)が育てた水稲品種で、いもち病に強く、米粒は小形ながら豊満で品質の良いお米です。
現在の米の育種は、農業試験場等の公的機関が中心に行っていますが、当時は先導的な篤農家が育種を行っていました。特に庄内地方は篤農家による育種が盛んで、なかでも佐藤氏は、庄内の三大民間育種家として、その名を歴史に刻んでいます。
「イ号」は、最盛期の昭和2年には作付け面積約1万9,000haに達し、当時の中心品種「亀の尾」を抜いて、作付け面積で県内第1位となり、昭和14年ころまで盛んに作付けされていました。

▽イ号の稲穂の特徴
現在の水稲品種と比べて、草丈が高く、ひげと呼ばれる芒(のげ)が長いのが特徴となっています。

■「イ号」プロジェクトの今
プロジェクト1年目の昨年度は、山形県農業総合研究センター水田農業試験場が保存していた「イ号」の種子50gを譲り受け、水田1アール(100平方メートル)に作付けし、その秋に5kgを収穫しました。
2年目となる本年度は、「イ号」を使った日本酒づくりのために、面積を約20アールに拡大して作付けを行いました。栽培にあたった大瀧浩幹さん(東沼)は、約80年ぶりに作付けが再開された品種をどのように栽培してよいものかと、先輩の農業者のアドバイスを受けながらの栽培だったようです。
この秋、大瀧さんの努力が報われ、9月12日には来年の種もみ用の「イ号」約10kgが手刈りで収穫され、その後、無事全量がコンバインで収穫されました。

■「イ号」が日本酒に
今回収穫された「イ号」は、庄内地方の酒蔵に生酛(きもと)作りでの醸造を依頼し、純米酒としてこの冬に仕込む予定です。
来春、「イ号」による新酒のお披露目が今から楽しみです。

現在のお米は品種改良が進み、収量や味、見た目がますます良くなっています。山形県で開発した「雪若丸」も今年、本格デビューしています。
そのような中で、今回、約80年ぶりに登場した幻の水稲品種「イ号」。このプロジェクトをとおし、当時のお米の姿や味だけでなく、永きにわたり注がれてきた農業者の米づくりへの情熱の一端が垣間見えた思いです。
いにしえのロマンを求めた今回の「田から(宝)もの」。先人に感謝しながら、瑞穂の郷の宝物として後世に引き継いでいきたいものです。

▽トピック
三川産のお米「山形95号」でつくった純米酒「穂のかおり」。「イ号」に先行して、今年の春、数量限定デビューしました。

問合せ先:役場産業振興課農政係
【電話】35-7017

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